「え?知り合いなの?」
「うん、一応先輩。運転してんのがまーさんで、後ろに乗ってんのがユッキー」
そのバイクが私たちの前で停まる。
私は思わず後ずさりしてしまった。
だって、改造してある派手なバイクに、白い特攻服を着た2人のヤンキーが乗っていたから。
マスクをしていたので口元はわからないけど、キツイ目つきで私たちを見てくるので体が強ばった。
ま、眉毛がないっ……。
てか、本当に新くんの先輩なの!?
特攻服着てるってことは暴走族だよね……。
「まーさん、髪切った?」
隣にいた新くんが笑いながら話しかける。
先輩に向かってタメ口だし、新くんはベンチに座って足を組んだままだ。
よほど仲良くなきゃそんなことできないはず。
後ろ座席に座っていたユッキーさんが「新~、暇してんなら連絡よこせや」と言って笑っている。



