いつも側で君を感じるから。



「とぼけんなよ!いつも兄貴面しやがってっ!りりを傷つけてんじゃねーよ!」

「あーバレたわけね…」

「ざけんなてめぇっ!」

新くんが八雲さんの右頬を一発殴り、八雲さんが地面に倒れこんだ。

八雲さんの唇からは血がにじんでいる。

どうしよう!2人が怪我したら…私のせいだ!

私は咄嗟に新くんの側に駆け寄り、抱きしめた。

「もうっ…いいから!」

「りり、くんな!離れてろ!」

「やだっ!」

精一杯の力で新くんを止める。

「わりぃな、りーちゃん。これは俺と新の問題だから」

八雲さんが私の事を力付くで引っ張った。

そして私を持ち上げ少し離れたところに下ろし、近くの人達に「こっちに来させんな」と言っていた。

再び新くんの元へと戻って行く八雲さん。

「ダメですっ!こんなことしたって2人が傷つくだけっ…」

近づこうとしても周りの人に止められた。

私の目の前で容赦なく2人が殴り合っている。