「あのさ、あっちで喋らん?」
新くんが入口の横にあったベンチを指さした。
みんないるのに戻らないのかな……なんて思ったけど、私もふたりで話したかったから、何も言わずベンチに座った。
余裕で4人くらい座れるベンチなのに、新くんは私のすぐ隣に座ったため、肩が触れる。
なんでこんなに近いの!?
心臓の音聞こえないかな…。
横を見ても、平然とした顔をしている新くん。
やっぱり女の子とくっついたりするの、慣れてるんだろうな……。
新くんはポケットからたばこを取り出し、「吸っていい?」と私に聞いてから火をつけていた。
そーいえば、さっき泉にもらったたばこ、ポケットの中に入れたままだった。
ポケットの中を漁ってみてびっくり。
たばこがグチャグチャに折れ曲がっている。中身が飛び出していてポケットの中が悲惨なことに…。



