「ねぇ、りりはどーなの!?」
隣にいた泉が耳元で囁く。
「えっ、なにが?」
「新くんのことっ」
「べ、別に……てか彼女いるんだよ!?」
そうそう、彼女がいるのにナンパしてるし!
ちょっとかっこいいなって思っただけで、別に好きとかではないし!
「えー、でも告られたらどーすんの?イケメンじゃん!」
「あるわけないでしょ…まだ話もろくにしてないのに」
泉はノリ気じゃない私を見て、つまらなそうな顔をしていた。
そんな顔されても…
新くんには彼女がいるのに、変な期待はしたくない。
私は空になったグラスを持って立ち上がった。
ドリンクバーの前で悩んでいると、外で電話している新くんの姿が目に入った。



