「待てよ。」

彼は私の腕をしっかりと掴んで離そうとしない。

「気色悪ぃなんて言ってごめん。悪かった。
冗談のつもりだったんだけどお前にとっては嫌な言葉だったよな…」

冗談、だったんだ。

彼は続ける。

「お前いつも言われているっつってたけど、なに。いじめられてんの?」

そんな、ストレートに言わなくても…

事実だけど傷つく。

でもこの人にはきっと悪気はない。

『はい。結構前から。原因はわからないけど。』

すると彼は少し考えてから

「んじゃ、俺がお前の友達になってやる。
お前のこと一人にしない。約束する。」

力強い瞳で見つめられる。

こんなこと言われたのは初めてで自然と涙が出てくる。