笑わないシンデレラ

「うん……」

私も優しい表情で笑った。

「明日、休みだよな?会おうぜ?チョコ食べたいし。」

「えっ!」

「なんだよ。竜ちゃんに逆らうのか?」

「そういうわけじゃないけど……」


バレンタインに私と会っていいの?


「んじゃ、幼なじみ命令。
明日俺に会うこと。」

「なにそれー。竜ちゃん偉そう!」

「ははっ。杏奈よりはえらいつもりー。」

「なんだとー!」


私達はお互い笑い合った。


明日、竜ちゃんの返事が聞ける。
楽しみだなぁ。

もしかしたら好きな人は私かもしれない。


竜ちゃんに会えるのが楽しみすぎてなかなか寝付けずにいた。


もう既に崩壊のカウントダウンが始まっていることに気づきもせずに。