笑わないシンデレラ

「いるよ。すごく近くに。」


真面目な顔をして私に言った竜ちゃん


いるんだ。


「だ……誰っ⁉︎」


「んー……お前は?」


竜ちゃんだよ……
って言いたいけど、振られるのが怖くて言えなかった。


「内緒。」


「ちぇっ。ケチ。」


でも………でもね。


「私もいるよ。すごく近くに……」


竜ちゃんは一瞬黙ったけれど、ゆっくり口を開いた。