「つじく……んっ……」

早瀬の背中は震えていて、涙声。
バカだな。こんなになるまで何にも言わないなんて……

「絶対早瀬の前からいなくなんない!
だから言ってくれよ。」

俺の声も弱々しいものだったと思う。

「わかった……」

言ってくれるのか?

「だから離して。」

ゆっくり離れていく体。

「今から話す話、ほんとのことだから。幻滅したら私から離れて。」


幻滅なんてするわけない。
そう心で思いながら耳を澄ました。

早瀬の過去に……