思い出しちゃう。
竜ちゃんのこと。


あの日も散々悩んでいた。


今日はいい日になりそう。


なんて思いながら服を選んでいた。
しかし、いい日になんかならなかった


忘れられない日になってしまった……


「……っ……」


私の目から涙が溢れる。
ダメ……


やっぱり無理だ。


服さえも決められない。
白いワンピースは、もちろん着られなくなっちゃったし今日辻くんに会えるかさえもわからない。


もし私が会おうとしたら、辻くんは私の前から消えてしまうんじゃないか

そう思う。


「辻くん……」