「辻くん!」

翌日、わたしは昨日約束をすっぽかされた人の席まで歩みを進め、ばんっと彼の机に手を突いた。


「お、おはよう……早瀬……」

迫力があったためか、辻くんは少し引き気味に挨拶した。

「おはようじゃないよ!昨日、どうして来なかったの⁉︎」

「いや、あの……」

「なーんて……」


わたしは怒った顔をやめて、にこっと笑顔を向けた。


「早瀬……?」

「辻くんの考えてることなんてわかるよ。わたしと梨花ちゃんを仲直りさせるためにわざと来なかったんでしょ?」


きっと梨花ちゃんにも話があるって言って呼び出したんだろうなぁ。