「相葉さん、わたしは相葉さんのことさっきも言ったけど親友だって思ってるんだよ?相葉さんや辻くんに会えなかったらほんとにわたし、死んでたかも。」


「杏奈ちゃん!」


泣きそうな顔をしたらぎゅっと相葉さんがわたしに抱きついてきた。


初めて名前で呼ばれた。


「親友だったらもう隠し事はなしだよ?辛い時や悲しい時、泣きたくなった時は絶対に春人よりあたしを頼って?それで……親友なら名前で呼んでくれないかな?」


「梨花……ちゃん……」


相葉さん……ううん。
梨花ちゃんの優しさに触れて再び、涙を流す。


「もぅ〜!杏奈ちゃん!今日、全然クールじゃないよ⁉︎」

「ごめんね、何か嬉しくて……」


わたしたちは抱き合った。
ようやく分かり合えたよ。
梨花ちゃんと。


でも……


辻くんが現れることはなかった。