あ、栄斗行っちゃった。ど、どうしよう…
「お、お兄ちゃん…。私、どうしたら…」
私がそう言うと、お兄ちゃんは大丈夫と言って私にハグして来た。
嬉しいけど…
「お゛、お゛兄ちゃん…く゛っ、苦しい…。」
「え、あ、ごめん!」
「ううん、大丈夫…」
は、離してくれた。よかった…
「お兄ちゃん、私の教室って…」
「1-Sだよ。」
S???
「お兄ちゃん、Sってなぁに?」
「Sクラスは、容姿端麗、頭脳明晰、運動神経抜群、金持ち達がいるクラスかな。」
それを聞いて私はポカーンとしてしまって、完全にトリップしていた。
「お、お兄ちゃん。私どれにも当てはまらない。(泣)」
「な、何言ってんだよっ!ま、まあ取り敢えず、葵には金持ちで入ってもらうから。」
「え?うち金持ちなの?でも、"私は"違うよ?それに向こうに行ってたから知らないし!」」
「ああ。今連れてくから、ちょっと待ってて。(本当は世界No.1だし、全てにおいて葵にかなう奴はいないだろ(苦笑)でも、こういう家と自分を一緒にしないところがえらいところだよな。)」
し、知らなかった。

「ここ?お兄ちゃん。」
「ああ、そうだよ。」
ガラッ
え、ノックは!?
「おーい、勇斗——。」
ゆ、勇斗!?勇斗って、あの…

ザワッ

「え、なんで学園長が!?」
「さ、さあ」

クラスの人たちがザワザワしている。まあ、そうだよね、急に学園長が教室に来るんだから。
「勇斗、転校生連れて来たぞ。入れー。」
そう言われて入って、私は頭を抱えたくなった。なんで、って言うか、やっぱり…