「ああ、もう!一体どこなのよ、お兄ちゃんのいる学園長室って言うのは?」
ここは、私のお父さんが作って、今はお兄ちゃんが学園長をしている学校。遡ること、一ヶ月前。あの電話の時—————
プルルルッ プルルルッ プッ
「もしもし、お兄ちゃん?」
『ああ、葵。そっちはどうだ?』
「すっごく良い天気だよ。お兄ちゃんは元気?」
『ああ。ところで、もう直ぐ卒業だろ?帰って来たら直ぐに俺の学校の学園長室に来てくれないか?』
「いいけど………帰ったら直ぐにって、家に帰ってから?」
『そうだよ。その時、この間送ったものをつけて来てくれよ。詳しくは、こっちに来てから言うから。』
「?わかった。お兄ちゃんに会えるの楽しみにしてるね!」
—————
あの時ああ言ったのはいいが………
ううぅ…
—— ただでさえこんな場所怖いのに… ああ、もう、誰かっ。
「誰か居ませんかっ?」
その時、私がちょうど通り過ぎた教室の戸が開いて、私は思わず目を見開いた。
「誰ですか、あなた。」
「え、栄斗?栄斗だよねっ。良かった—。」
私がそう言っても、栄斗は黙ったままで。
「栄斗?私だよ、日下葵!」
私はそう言いながら眼鏡を外した。その瞬間、栄斗がカッと目を見開いて私の肩を掴んだ。
「あ、葵!?なんでこんなとこに!?」
—— きゃっ!
私が思わず体を縮こまらせると、栄斗はごめん、と言って手を離した。
「とりあえず、学園長室いこうぜ?そこに行けばお前の兄さんもいるだろう?」
私は頷いてから笑った。
「ありがとう、栄斗。」
私がそう言うと、栄斗は顔を赤らめて手で自分の顔を覆った。
———ガチャ。
栄斗が扉を開けると、隼人お兄ちゃんが椅子に座ったままで私たちを出迎えた。
「あれ、栄斗君?ああ、葵を連れてきてくれたんだね。」
「学園長、いえ、隼人さん。なんで、葵がここにいるんですか?」
「そうだよ、お兄ちゃん。こんなところただでさえ怖いのに。」
すると、お兄ちゃんが私たちの目をじっくりと見てから口を開いた。
ここは、私のお父さんが作って、今はお兄ちゃんが学園長をしている学校。遡ること、一ヶ月前。あの電話の時—————
プルルルッ プルルルッ プッ
「もしもし、お兄ちゃん?」
『ああ、葵。そっちはどうだ?』
「すっごく良い天気だよ。お兄ちゃんは元気?」
『ああ。ところで、もう直ぐ卒業だろ?帰って来たら直ぐに俺の学校の学園長室に来てくれないか?』
「いいけど………帰ったら直ぐにって、家に帰ってから?」
『そうだよ。その時、この間送ったものをつけて来てくれよ。詳しくは、こっちに来てから言うから。』
「?わかった。お兄ちゃんに会えるの楽しみにしてるね!」
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あの時ああ言ったのはいいが………
ううぅ…
—— ただでさえこんな場所怖いのに… ああ、もう、誰かっ。
「誰か居ませんかっ?」
その時、私がちょうど通り過ぎた教室の戸が開いて、私は思わず目を見開いた。
「誰ですか、あなた。」
「え、栄斗?栄斗だよねっ。良かった—。」
私がそう言っても、栄斗は黙ったままで。
「栄斗?私だよ、日下葵!」
私はそう言いながら眼鏡を外した。その瞬間、栄斗がカッと目を見開いて私の肩を掴んだ。
「あ、葵!?なんでこんなとこに!?」
—— きゃっ!
私が思わず体を縮こまらせると、栄斗はごめん、と言って手を離した。
「とりあえず、学園長室いこうぜ?そこに行けばお前の兄さんもいるだろう?」
私は頷いてから笑った。
「ありがとう、栄斗。」
私がそう言うと、栄斗は顔を赤らめて手で自分の顔を覆った。
———ガチャ。
栄斗が扉を開けると、隼人お兄ちゃんが椅子に座ったままで私たちを出迎えた。
「あれ、栄斗君?ああ、葵を連れてきてくれたんだね。」
「学園長、いえ、隼人さん。なんで、葵がここにいるんですか?」
「そうだよ、お兄ちゃん。こんなところただでさえ怖いのに。」
すると、お兄ちゃんが私たちの目をじっくりと見てから口を開いた。



