「ま、こいつらはよく一緒につるんでる奴らだ。あ、凛冬はこいつらと来たけど、一緒のクラスだ。」
へぇ〜、じゃ、分けたらこんな感じかな?
1年S組 : 栄斗、拓人、凛冬、楽也、楽輝、私
1年A組 : 玲央
1年B組 : 健太

……なんか、変わった組み合わせだな。

「ところで、みなさんはなぜここに来たんですか?」
拓人がそう聞くと、健太がそうだった!と叫んだ。
なんかだんだんと耳が痛くなって来た。
私がそう思って耳に手を当てると、玲央が健太に少し静かにするように言った。玲央を見ると、ニコッと笑ってくれた。
良かった。玲央は朝のこと怒ってるわけじゃないみたい。
勝手に心の中で幸せだなぁ、と思っていた私の心臓が、次の健太の言葉で、一瞬止まったかと思った。
「BLUE star が日本に来てるんだって!アメリカから!」
その瞬間、クラス中の視線が健太に注がれた。
「マジかよ!」
「すげぇじゃん!」
「運良ければ、生で聴けるんじゃね!?ライブとか!」
「でも、健太の情報だろ?」
誰かがそう言うと、健太は新聞を取り出した。
「この新聞に載ってるんだよ!ほら!」
そう言うと、またみんなは騒ぎ出した。もう私の思考は完全に停止していた。まさか日本にまで広がっているなんて知らなかった。
BLUE star それはもう結構適当につけられた名前。
BLUEは→青い→あおい→葵。
そして私がスピカが好きだから。それとかけて、
葵の好きな星→葵の星→葵星→青い星→BLUE star
社長が考えたそれは、元を辿れば適当だが、結構素敵な名前で私も気に入ったからそうした。
ここまででわかるかもしれないが、BLUE star とは私のこと。ここで下手なことを言えば、歌手ということどころか、女ということがバレてしまう。