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『……次は、新入生代表の挨拶です。高等部1年S組日下葵さん。』

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高等部1年S組、日下葵。」

挨拶が終わってから袖に戻ると、勇にぃがそこに待っていた。
「葵、お疲れ。大丈夫?」
「うぅ、怖かったぁ……変じゃなかった?」
「はいはい。大丈夫だったよ。全部ちゃんと言えてたから。ところで、さっき学園長が呼んでたんだけど、放課後行こうね。」
「うん……」
さっきのことかな?でも、今回の挨拶のことかも。あれ?なんで勇にぃが教えてくれたんだろう。普通だったら私に直接言うよね?それに、隼人じゃなくて、学園長って……ま、いいや。終わったから教室に向かおう。


私が教室についてドアを開けると、一気にみんなの注目を集めた。
「葵、すげーよ!高等部から入っただけじゃなくて、新入生代表挨拶をさせてもらえるなんて!」
「新入生代表の挨拶って一番成績が良かったやつがやるんだろ!?」
「うちのクラスのトップが3人から4人に変わったな!」
いろんなことを一度に言われて私の脳は急停止してしまった。
「あ、あの……?」
そのとき急に私の後ろから誰かが叫びながらきた。まだ始業式の後でHRまで30分近くあって、そのせいで他のクラスの生徒もきてる。私の後ろからきたのも他のクラスの生徒だった。そのままその生徒は私にぶつかった。私が思わず倒れそうになったのを、近くに立っていた拓人が助けてくれたけど、私にぶつかってきた生徒は今床とお友達になっていた。
私が大丈夫?と聞く前にその子はもう立ち上がって、さらに後から来た子達と騒ぎ立てた。(正確には彼一人で、周りは彼を宥めるように)