その後自分の部屋を教えてもらって、そこで荷物を整理してから出ると、部屋のリビングに人が集まっていた。
「何してるの、栄斗」
「あ、葵。玲央に呼ばれたんだよ。」
栄斗がそう言った後私がもう1人に目を向けて首を傾げていると、玲央がそれに気づいて私に教えてくれた。
「覚えてないかな。俺と一緒に理事長室に来た、たっく「どうも、葵さん。小川拓斗です。こいつとはただの幼馴染です。大親友とかほざいていても信じないでください。」」
「そりゃぁないでしょ、たっく「よろしくお願いしますね、葵さん。」」
この人いっつも玲央の話を遮っているな。
「よろしくお願いします。えっと……」
「俺のことは拓斗と呼んでください。」
………男子って普通に相手を呼び捨てにするものなのかなぁ?あ、でも確かに、同性同士(?)は女子でもだいたいが呼び捨てだもんね。
「うん、分かった。俺のことも呼び捨てでいいよ?よろしくね、拓斗。」
そう言ってニコッと笑うと、拓斗の耳がほんのりと赤くなった。他の2人も顔を真っ赤にして私に背を向けている。
風邪が流行っているのかなぁ
「三人とも気をつけてね?」
「「「へ?」」」
「三人とも顔が赤いから、気をつけてね。」
私がそう言うと、三人はあー、とかうー、とか言って返事をしてくれなかった。
「そ、それより、葵は何を飲む?」
そう栄斗が聞いて来て、私の頭に1つだけ飲みたい物の名前が浮かんだ。
「あの、えっと、俺…豆乳が飲んでみたい。」
「「「豆乳???」」」
「うん。昔一回だけ飲ませてもらったことがあったんだけど、それ以来一回も飲んだことがなくて。」
私がそう言って苦笑すると、栄斗が苦しそうに顔を歪めた。



