夜ご飯を食べ終わった後、部屋に戻ると、田口さんが椅子に座っていた。
「あ、やっと戻って来たか。」
あ、私のものとかまだ部屋に運んでなかった!ちゃんと色々教えてもらはなくちゃ!
「あ、あの、田口さ…… ハッ!」
田口"さん"じゃおかしいかな。
「田口君!」
「なんだよ、ってか、君付けって……… ククッ」
え、そんなにおかしいかなぁ?あ、君付けって女の子っぽい?
「えっと、じゃあ、田口?」
「いや名前で呼べよ。玲央って。せっかく同室なのに、そうじゃないとよそよそしいだろ?」
「れ、玲央?」
私がそう言うと玲央がニコッと笑った。それにつられて私も笑うと、玲央が顔を背けてしまった。
「玲央?どうしたの?」
「や、今こっち見ないで。ちょっと今やばい///」
「? わかった。」

しばらくすると、玲央がこっちを向いてくれた。
「で、お前なんか用があったんだろっ、早く要件言えよ。」
「あ、忘れてた。この寮の部屋の説明してもらえたら嬉しいな、って思って。」
「お、おう。ま、とりあえず、今いるところが、リビング。だから他の部屋の奴が来たら、ここで遊んだりしてる。」
そ、そうだったんだ、てっきり玄関かと思ってた。
「で、あそこがキッチンで、あそこが……「え、キッチン!?」
「お、おう。ってか、大声出すなよ。」
「キッチンで料理作ったりしていいの!?」
「ああ。でも使うやつはいないんじゃねーの。」
「あ、あの、俺使ってもいい?」
私がそう言うと、玲央がとても驚いた顔をした。
「お前料理できるのか!?」
「うん、家では私がやってたからね。」
「そうなのか。ん?私?」
ギクッ!
「え、俺、私なんて言った?たまに言っちゃうんだよね。パーティーとかではちゃんとした言葉遣いだったからな!ア、アハハハ…」
私がそう言うと、玲央は納得したように頷いた。
まあ、半分本当で、半分嘘なんだけどね(ーー;)