寮に行くと、建物の前に荷物が置いてあった。
「あれ、お前のか?」
田口さんがそう聞いて来たから、私は無言で頷いた。
「葵、お前相変わらず荷物少ないな。一体あれでどうやって生活住んだよ。」
「別に良いじゃん、栄斗。」
私はそういてってから荷物に向かって歩いて行った。

…あれ?いない。どうしよう、どこ行っちゃったんだろう!
「葵?どうした、大丈夫か?」
「栄斗……………ちが、 ………の。」
「はぁ?」
「モカ達がいないの!」
そうだ、隼人お兄ちゃんに電話っ!

プルルルルル……プルルルルル……プルル
ガチャ
「もしもし、葵?」
「お兄ちゃん!モカ達がいない!」
「はあ?お前あいつら連れて来たの?」
「うん、お兄ちゃん。どうしよう、わ、俺……」
「待ってろ、すぐそっち行くから!」
ガチャ
プッ プーッ プーッ プーッ