ガラッ——
その時、ドアを開けて入って来た人を見て私はうんざりした。
「おいおい勇斗。言っちゃったのかよ。」
「げっ、隼人… あ、いや。どうしたんですか、学園長?」
…何、この全く成り立っていない会話。
「ああ、葵に寮の鍵を渡しに来た。」
「あ、ありがとう。…って、なんでさっきくれなかった…んだよ?」
口調、こんな感じで良いのかな?
私がそう言うと、クラスのみんなが唾を飲み込む音が聞こえた。
「良いじゃん、また葵に会いたくなっちゃったんだよ—。」
うんうん、私も会いたかっ…… じゃなくて、今の格好でそうゆうこと言うと、あらぬ誤解が生まれかねないよ! みんな私たちのことじっと見てるし。
「まあ、この勇斗が言っちゃったから良いけど、俺たち兄弟でーす。」
「「「「「「「「「「………えええええええっ!」」」」」」」」」」
え、そんなに驚くこと?
「あ、このいとこってことと、兄弟ってことは、このクラスだけの秘密ね。いろいろややこしくなるからね。…言った人は、分かってるよね★」← !?
な、なんかお兄ちゃんいつもと違う。
「あ、っていうか、センセーと学園長ってめっちゃイケメンだから、葵もめっちゃ美形なんじゃね?」
誰かがそう言うと、みんな急に静まり返って私を見た。
「いやいやいや。そんなことな「いや〜、よく分かったな!」
隼人お兄ちゃん!?
「マジか!なあ、葵。メガネ取ってくれよ!」
「え、だ、だめ!」
「いーじゃん!」
その手が私の顔に触れた瞬間、私は意識を手放した。



