え、なんの音!?

それは、勇にぃが投げたチョークがその男の子の頭に当たった音だった。

「もう、きついっすよ…」
「あぁん゛!?」
ゆ、勇にぃが怒ってる!早く止めなくちゃ!
そう思ったら私は立ち上がっていて…

「ゆ、勇にぃ、一旦落ち着いて!」


その瞬間、クラス全員が私のことをぎょっとした目で見た後、恐る恐る勇にぃを見て、信じられないと言うような顔をしている。

「ああ、そうだな。ごめんな、葵。驚いただろ。」

勇にぃがそう言うと、クラスのみんなが私とゆうにいの顔を見比べた。
「な、なんで葵は良いんですか?」
誰かが投げかけた質問に勇にぃはさも当たり前とでも言うかのように、

「いとこだから。」

と言った。

「「「「「「「「「「いとこ—————!?」」」」」」」」」」

栄斗なんてそんなみんなを見てゲラゲラ1人で笑っている。
酷いなぁ。

「あ、でもこれからせめて授業中は先生っていえよ?」
「うん」
気をつけなくちゃ……