これは、ある女子高生の大人になるまでの切ない恋の話。



あたし、筒井 叶葉は

マンガみたいな恋愛なんてないと思ってた、兄妹で愛し合ってしまう物語。

ありえないでしょ、なんて思ってた。

前までは…

でも、今はすごく分かる気がする。

あたしは、いとこのことが好きだから…



いとこの名前は、筒原 宙斗(つつはら ひろと)

K高校2年生で陸上部に所属してる。

格好よくて優しくて…でも、ちょっといじわるな所があるんだよね。

今日は、そんな宙斗と買い物をする日。

昨日の夜も楽しみすぎて眠れなかった。

おかげで、待ち合わせの20分前に着いちゃった。ちょっと寒いかも。

ピロン

あ、宙斗からのfainだ。

゛もう着いた?゛だって。

あたしも返信する。

゛うん、いるよ♪゛

「見つけた。」

背後から聞きなれた声がした。

後ろを振り返る。

「ん、見つけられた。」

宙斗だ。

「おはよ。てか、寒くない?とりあえず、どっか入ろう。」

宙斗が微笑む。