教室にはいると座席表が黒板に貼られていてその通りに座る。
廊下側の後ろから3番目。
よ、だからいつも大体はこの辺りだ。
座ってしばらく待っていると、リボンを持った先輩が2、3人教室にはいってきた。
先輩が順番にリボンをつけてくれる。
私の順番がきて顔をあげると、そこには男の先輩が立っていた。
わ…かっこい…
「リボンつけるな」
「え、あ、はい!」
少し見惚れてしまって慌てて返事をした。
制服のポケットのところに丁寧にリボンをつけてくれる。
「入学、おめでとう」
そう言って笑う先輩に少しドキッとした。
── それが私と裕太くんの出逢いだった。
☆
そんな入学式から2ヶ月が立った。
新入生歓迎会であの先輩がバスケ部ってことを知った。
でも本当にちょっとかっこいいって思ったそれだけで、気づけば先輩のことなんて忘れてしまっていた。
「もうすぐ文化祭です。
ってことで文化祭委員を決めます。」
春日丘高校では6月末に文化祭がある。
今日のホームルームはその委員決めだった。

