教室にはいると座席表が黒板に貼られていてその通りに座る。


廊下側の後ろから3番目。


よ、だからいつも大体はこの辺りだ。


座ってしばらく待っていると、リボンを持った先輩が2、3人教室にはいってきた。


先輩が順番にリボンをつけてくれる。


私の順番がきて顔をあげると、そこには男の先輩が立っていた。


わ…かっこい…


「リボンつけるな」


「え、あ、はい!」


少し見惚れてしまって慌てて返事をした。


制服のポケットのところに丁寧にリボンをつけてくれる。


「入学、おめでとう」


そう言って笑う先輩に少しドキッとした。


── それが私と裕太くんの出逢いだった。





そんな入学式から2ヶ月が立った。


新入生歓迎会であの先輩がバスケ部ってことを知った。


でも本当にちょっとかっこいいって思ったそれだけで、気づけば先輩のことなんて忘れてしまっていた。


「もうすぐ文化祭です。
ってことで文化祭委員を決めます。」


春日丘高校では6月末に文化祭がある。


今日のホームルームはその委員決めだった。