【恭弥 side】

俺は、小中高 大学までずっと1人だった。
でも、教員免許をとって教師となってすぐの頃に1人の女性と出会った。

その人は俺の事を信頼してくれて、
俺の知ってる怖い人間ではなかった。
優しくて明るくて、ずっといじめられてた俺を受け止めてくれた。
俺も初めて家族以外の人を信頼できたんだ。だからその女性に告白された時、付き合うってどんな事か分からなかったけど、付き合ってもいいかなって思って付き合った。

俺が恋愛した事無いせいで
デートもしなかった。
それでも、俺の事が好きだと言ってくれた。
一緒に前に進もうって言ってくれた。
でも俺が教師として、付き合って1年を迎えたあたりから、彼女に異変が訪れ始めた。
もともと、あんまり会わなくて俺から会える?ってたまに言った時には絶対会ってくれた。でも、突然 断られるようになって
挙句の果てには、

「別れよう」

と言われてしまった。
俺は、頭が真っ白になった。
振られた…?なんで…?って思った。
やっぱり俺から離れて行っちゃうのか?
って。今思えば信頼してた人がいなくなるのが怖かっただけなんだ。
俺がまだ好きだから別れたくない。
そんな感情は無かったんだ。

それを気づかせてくれたのは、
一人の生徒、片桐 真彩 だった。