Still The One ~今でも大切な人~

「嘘だろ…?」

「嘘でしょ…?」

私達は同時にそう呟く。
小さい画面に目をやりながら。

「ここにちゃんといますよ。赤ちゃん」

そう。私は、突然の妊娠報告を医者から
告げられたのだった。
妊娠どころか結婚もまだ早いと思ってたのに…。きちんと避妊してたよね…?
社会人になりたての私達が…?
お父さんとお母さんに…?

「2人でよく話し合って決めてください。」

真彩もあの時、こんな気持ちだったのかな。
真彩は高校生の間に妊娠した。それでも
下ろすという選択肢は真彩と山本先生には無かったんだ。
それは、私も一緒。
どんなに若い母親でも命は殺せない。
この子は私を選んで来てくれたんだもん。

「大和…」

「生むよな…?なぁ、彩海。生むよな?」

私の肩を掴んで、私の目を見て
そう言う大和の顔はもう父親に見えた。

「生むに決まってんじゃんばかっ…」

この子を大和と2人で一生懸命守って行こう。
立派な母親と父親になろうね大和。