Still The One ~今でも大切な人~

「あー…。うん。そうだな。」

真彩に隠してる事がある。
俺は真彩が卒業すると同時に教師を辞める。
その理由は、俺の実家に行く準備をしなければならないから。
俺の実家は病院を経営してる。
継ぐのは俺の兄貴だけど、俺は普通にdoctorとして働く。
親父が院長。お袋が看護婦長。
俺の両親にまだ挨拶に行けてないし、なんの報告もしてない。
だから、真彩は俺が医者になる事もそれについて勉強していた事も知らない。
卒業したらすぐに、俺の実家に行く。
多分とことん怒られるな。何も言わずに結婚してしかも子供もいて。真彩は生徒だから。

「せんせ?どうしたの?」

「え?あ、何でも無いよ。大丈夫。」

真彩は多分、ちゃんと受け止めてくれる。
俺の選んだ道なら。

俺は、元々病院で働くのは嫌だった。
だから、それで家族がバラバラになったんだよな。姉さんも医者になれってずっと言われてきたけど姉さんにはやりたい事があったからそれをずっと断ってた。
でも俺は、真彩と出会ってから人と人との繋がりがどんなに大切かが分かったから人の命を救う事でその人の色んな繋がりを守って行けると思ったから医者になろうと思った。

「さっ、着いたぞー」

正門や、学校の中にはもう大勢の人で
埋め尽くされている。
保護者の方々も もう集まってる。

「あ、山本先生!ご結婚おめでとうございます!上の子の時はお世話になりました。」

「ご結婚おめでとうございます!元気な赤ちゃんが生まれるように祈ってます!」

と、保護者様からの
お祝いの言葉が降ってきた。
今日は、俺の方からおめでとうと
言わなきゃいけない日なのに…。

「ありがとうございます!皆様もご卒業おめでとうございます!」