Still The One ~今でも大切な人~

待ってるって言ったけど、
あんな現場見ちゃったら待ってられないっ…
私は靴箱へ駆け足で向かった。

「忙しくなんてっ…ないじゃんっ…」

涙がどんどんどんどん出てくる。
それを、腕で拭きながら廊下を走る。

「っつ……!?」

いきなり目の前がグニャって歪んだ。
頭がクラクラする。
体が熱い…。お腹が痛いっ…。
私は、足に力が入らずに倒れ込んでしまう。
走ったから…!? どうしようっ
お腹の中の赤ちゃんに何かあったらっ…
助けを呼ぼうにも声さえ出せない。
人が通らない廊下で倒れてしまった私は
誰にも気が付かれないの…?
どんどん、意識が薄れてく…

「だ……かっ…たすっ…け…」

力を振り絞って出した声は
私が家で叫んだ時のように
静かな廊下へ吸い込まれて行った。
そこから私は意識を失ってしまった。