となりの弱虫ヒーロー【短編】

それでも律が嬉しそうに


「俺も、みさきが大好きです」


って、私の大好きな笑顔で言ってくれるから。


なんかもう、いいやって。


キャラじゃないし、似合わないけど、いいやって。


「ん、私も大好き」


ぎゅっと律を抱きしめ返して、へらっと笑ってみせる。


「み、みさき〜!」


「はいはい、泣かないの。
さっきまでカッコよかったのに。
ていうか、ここ、私の家の玄関なんだけど、もうちょっと別のところ移動しよう」


だめだ、もう、ムードもクソもない。


でも、これはこれで。


「まあ、私たちらしいよね」


「ん?なにが?」


「あーもー、目真っ赤だし、鼻水でてる!
せっかくのイケメン台無し!」


「み、みさき。
それは褒めてるの貶してるの…⁉︎」


「どっちも!」


ずっと、君の隣にいれるなら。


私は、どんな困難だって乗り越えられる自信があるよ。


ねぇ、泣き虫で弱虫なヒーローの律。


不器用で口下手な私だけど、ずっと、ずっとそばに居ていいかな。















「もちろん。
てか、俺がいてもらわなきゃ、困る」




(みさきが思ってるよりずっと、みさきの事、大事に思ってるから)














fin