そして、僕は哀川さんに顔を見られないようにそっぽを向いてしまう。
「あれ、緋山君。どうしたの?」
「…いや、今は駄目。」
「体調悪い?」
「大丈夫。あ、ご飯食べてくるから…。」
これ以上ここにいたらバレてしまいそうで。だから、バレないように逃げる。
「じゃあ、私は掃除進めておくね!」


そして、リビングの机に用意されていたご飯に手をつける。
突然掃除機の音が聞こえる。きっと、僕が寝ている時は、気を使って、掃除機を使ってなかったのだろう。
だけど、僕はそんなことを気にかけない。
哀川さんがさっき言った言葉が。

_______________でも、緋山君が笑ってくれて嬉しいなぁ。

あんな笑顔で言われたら……………。
「はぁ……。やっぱり、」
好きだな、と心の中で呟く。