「何かある…?」
「ううん。やっぱり、緋山君の手って大きいなって。」
自分の手と僕の手を比べる哀川さん。そう言われると、哀川さんと僕の手の差は結構ある。

_______________グイッ。




「わぁっ、ひ、緋山君!?」
「こんなに体の大きさも違うんだから。」
自分の元に引っ張る。慌てる哀川さん。
「え、あ、え!?」
あたふたとする哀川さんを見てると………。
「………………っ…くくっ、哀川さん、慌てすぎ……っ。」
笑えてくる。慌てる様子も可愛らしくて。

哀川さんを離すと、顔を真っ赤にして僕を見上げた。
「きゅ、急すぎてびっくりしただけだよっ!そんなに笑ったら恥ずかしい………。」
「でも……っ、面白い…っくくっ。」
すると、急に静かになる哀川さん。
流石にからかいすぎたかな…。なんて思ったのも束の間…。

「緋山君も笑うんだね!」

「え、」
僕の予想の斜め上を通り越した答えが返ってきた。
「緋山君って、いつも難しそうな顔してるから……。」
私といて楽しくないのかなって、と言ったあとに続けて満面の笑みで、
「でも、緋山君が笑ってくれて嬉しいなぁ。」
なんて言うから、僕の顔に熱が集まる。