「あ、今日のご飯はね、目玉焼きと野菜とクロワッサンだよ。」
「ん。ありがと。」
「あと、今日は一緒に本屋に行くんだけど………。一緒に来る?」
「…………行く。」
正直外に出るのは嫌だけど、もうすぐで持ってきた本が全部読み終わってしまう。そうしたら暇つぶしの道具がなくなってしまう。
「分かった!じゃあ、ささっと掃除済ませちゃうね!」
「………その前に、はい。」
「うん!」
手を差し出す。今ではもう指先が震えていたり、緊張でガチガチになることなんて無い。
ただ、前よりも僕の方が緊張してるかもなんて。

「緋山君の手、温かいね。寝起きだから?」
「寝起きは体温低いんじゃない。」
「え、そうなの?」
「多分、布団の温度がまだ残ってるんだと思うけど…。」
「そうなんだぁ。」
手をまじまじと見つめる哀川さん。