皐月ちゃんと緑くん

すると緑くんは、少しの沈黙のあとに
目をきらきら輝かせながら、
この蝶は、『ツマグロヒョウモン』の雄だと言った。
『この蝶のオスメスの見分けはさ…』

私は、話に全然集中できなかった。


この話が終われば、緑くんは作業に戻ってしまうだろう。

話せた事だけで満足すべきか、





でも私は、そんなんじゃ足りないんだ。



聞くだけの関係じゃなくて私をもっとみてほしい。

私の事、これが終わっても考えてほしい。
わたしが緑くんを想うほどには。

『あ!花岡さん!!足元、いもむしが…!』

『きゃあっ』

私は驚いて緑くんの方に倒れこんだ。








ちゅっ



緑くんと私の唇が触れあった。


私は、顔をそむけることが出来たはずだが
そうはしなかった。

どっくん、どっくん。


緑くんの顔は真っ赤だった。

私の心臓は、じんとして、より一層高鳴った。


事故ちゅーしてもいいとおもったのだ。