…今僕の一番新しい記憶にある渉は、ショートカットの渉だった。 僕が切った髪を気に入って、それからずっとショートカットだったから。 『頭が軽くなった。こっちのが、色々クリアに考えられるよ』 渉は多分、僕なんかよりも繊細だった。 僕は人一倍鈍いから、きっと渉の心を半分もわかってなかっただろう。 それでも渉は笑ってくれてた。だから僕は、渉の笑顔をなるべく多く記憶に留める。 鮮明に、そして、クリアに。