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海に夕凪がそっと訪れる。
防波堤の上から臨む景色は、渉の色、マリンブルーで。
渉の幸せの色。
それは確実に、僕の幸せの色。
帰りに駄菓子屋で買ったドロップの中から、渉が一番好きだったいちごの飴を取り出した。
「…甘」
いつも薄荷ばかり食べていたからから、それは舌に慣れない甘さで。
それでもどこか、懐かしい味がした。
どうしてかなんて、上手く言えないけど。
甘い香りに包まれたまま、僕はドロップの缶をひっくり返した。
色とりどりの飴玉が、マリンブルーの海に吸い込まれていく。
キラキラキラキラ、水面に輝くカラフルな幸せ。
「薄荷混じってるけど、許せよな」
波が小さく揺れた。
渉が笑ってくれた気がした。



