…………… 集落を進み、腐りかけた木の電灯を曲がれば、そこには変わらない玄関があった。 松の木も、盆栽も、縁側も、昔と何一つ変わっていない。 僕は一瞬逡巡したが、軽く深呼吸すると古い呼び鈴を押した。 微かに、家の中に響く呼び鈴を聞いた。 「はいは…」 ガラッと玄関が開くと同時に顔を出した彼女は、僕を見て一瞬凍りついた。 僕は小さな笑顔を作り言う。 「ただいま…母さん」