少し震えるその声に、、鼓動が早まる。
まるで楠木くんが
私を求めてくれてるみたいで‥
必要とされてるんじゃないかなんて、
そんな錯覚を覚えてしまう‥
楠木くんは、私が泣き止むまで
ずっと抱きしめててくれた‥
どんだけ時間が経ったか分からない
けど、ずっと‥ずっと、、側にいてくれた。
「落ち着いた?、」
「うんっ、、ありがとっ‥」
「‥よかったぁ‥」
ホッとしたのか楠木くんが笑う
その姿に、ドキッとしてしまう。
「よし!綾瀬さん、場所変えよっか。」
「えっ?‥」
「さっきまで何で泣いてたのか、
教えてくれないと帰さないよ、俺。」
「そっ、、そんな、、‥」
「だからさっ、ここじゃあ落ち着いて
話したりできないから違うとこ行こ!」
「っ、、えっ?、、、あ、」
次々と楠木くんの口から発せられる言葉に
オドオドするしかない私
そんな私を見かねた楠木くんは
「なーんてね?、ごめんごめん‥
冗談だよ?、、そんな困った顔しないで‥」
なんて、優しく言ってくれる。
「でも、、綾瀬さんが泣いてた理由
知りたいってのは、本当だよ。」
「‥、、え?、」
「俺、こんな事聞いたりなんかしたら
ダメだって、そっとしといてあげないと
いけないって、分かってんのに‥。」
申し訳なさそうな表情が
楠木くんの優しさを表してる、、
「俺、、やっぱダメなんだっ‥。
ほっとけないんだっ‥。綾瀬さんのこと」
続けて放たれる言葉に、、
体中に電気が走ったみたいに痺れた。
だって、、そんなの‥、、。
楠木くんが私のこと‥
すごく大切にしてくれてるみたいじゃん、

