また明日会える、、
そんな安心感をくれる楠木くんの言葉

それを聞くだけで、、うれしかった。


帰り際に何度も何度も振り返って
私に手を降ってくれる楠木くん

その姿を目に焼き付けた。


うれしい。好き。愛おしい。
そんな私の感情。

それを忘れないように、、
楠木くんがくれた大切な記憶を、、思い出を
失くしてしまわないように、、

ちゃんと心に焼きつける‥




自分の部屋に戻ると、、
机の引き出しの中を探る。


「‥あった、、。」


やっと見つけたカッター
それをしっかりと握った。

昔、お父さんと工作でよく使ったそれは
何年も使うこともなくて、
ずっと机の中にしまっていた。

今日は久しぶりにそれを使う

刃先を自分の腕に押し付けて
横に引いて、跡をつける。

たったそれだけの道具‥


きっと、そんな行為は
世間ではリストカットって言われてて

誰かに気づいて欲しいからとか
自分を傷つけて安心したいとか

ストレスから逃れたいとか、、


そんな理由が一般的なんだって思う


だけど私は、そんな理由もなければ
自分を傷つけたい訳でも、
誰かに気づいて欲しい訳でもない。


ただ、ここに、、この腕に、、



自分の決意の証を刻みたい‥



この世界から消えて、
大切な人達を幸せにする‥


そんな決意が揺るがないための証

それを、ここに刻んでおきたいんだ、、


今日、楠木くんが屋上から飛び降りるのを
止めてくれたとき、、

まだ1つだけやり残してる事を
思い出したんだ‥

だから、せっかく楠木くんがくれた時間‥
生きてる間に、消えるまでの間に、、


それだけはやり遂げたいって思った。


私がこの世界から消えるのは
それからでいい、、かな?、、



やっと出来た私の覚悟、、
これがこれから揺るがないように、、

何でもいいっ、、、



ただ、その証を刻んでおきたかった‥