あなたは複雑だったでしょう。
それはわかっていました。
だけど私はひと月前よりもずっとずっと気持ちが固まっていたのです。
国のためじゃなくて、何かのためじゃなくて、ただ単純に、あなたとの子が欲しい。
そう思っていたから。

ただ言われるままに生きてきた私は、それがどういう意味なのか、この時も考えることはしませんでしたけれど。


この事実を知ったら、私は国中から責められるでしょうね。
私だけではなく、王家そのものが末代まで唾を吐きかけられるかもしれません。
これはそれほどに間違った道でした。

私の前に差し出された過ち。
でも、私は最後に自ら過ちを選びました。

だからどうなろうとも、子々孫々まで危険な秘密を残そうとも、この道を進みます。