狼の王さまに笑顔を。

「ノア…今のは音羽ちゃんじゃない、僕の妹だ…音羽ちゃんはまだ…」



シルビオが説明する。


その説明に分かっていたのか、目は合っているのにどこか遠い方を見つめる。


心ここに在らずのようなノア。



「…俺の中で…こんなにもあいつの存在が大きくなっていたとはな…」



泣きそうな、苦しそうな顔をする。



「あの笑顔がまた見たい…」



消えそうな声で呟くノアを黙って見つめるローレスとシルビオ…