狼の王さまに笑顔を。

「ノアは…?」



「はい、少し休めば大事無いようです。ここ最近無理をし過ぎていましたので…」



シルビオとローレスは横になるノアを見つめ沈黙。


沈黙を破ったのは、シルビオの妹だった。



「ノア様は…どうしてこの様なお姿に…??今までそんな事無かったのに…こんなやつれたお顔に…」



この時、シルビオの妹はローレスとシルビオに聞こえない声で

あの女のせいなのね…

と手を掴み言った。



「…っ……おと…は…?」



目を開けると、優しい顔でシルビオの妹と音羽を間違える。



「私は…そんな顔1度も見た事ないのに…どうしてあの女には…」



そう小さい声で言うと手を離し出ていった。



「ちょ!おい!」



引き留めようとシルビオが声をかけるがそのまま出ていってしまった。


ノアのその顔にはローレスもシルビオも驚いていた。