狼の王さまに笑顔を。

ノア side


俺は仕事を終え、1度家に帰る。



「ノア様ァ〜!!!音羽が!!!音羽がどこにも居ないのです!!!!」



そう俺に近寄ってきたのはメイドのエレナだった。


エレナは2人の時だけ様をつけない敬語で喋らないと言っていたのにそれも忘れ、慌ててノアに話しかける。



「どうせあいつの事だ…ジィの所とか庭にいるんじゃないのか…」



「それがっ!!!庭で本を読むと言っていたのですが…本だけあってどこにも居ないのです。お昼すぎから探しているのですが…どこにもいなくて…もう夕方ですし…」



そう言って本を渡してくる。


確かにさっきからあいつの気配がないな…


本を開くと、狐の紋章の紙が入っていた。


シルビオの奴か…


「居場所は大体分かった…エレナは少し落ち着け…俺はシルビオのところへ行ってくる…」


めんどくさい事をしてくれたな…シルビオ…