そこには木の影で寝ていたイケメンが私のブレザーを持って立っていた。



「あっ!やっと起きたんですね!!待ってました!」



「……おい…俺の質問に答えろよ…」



気だるそうに発し、その赤い目は私をじっと見ていた。
怒っているのかと思うがその顔は無表情だった。


目の色が赤い…さすがイケメン…


なんて思った私はハッとして問われた質問に答える。



「あ、ごめんなさい。この近くの森からどうやらこちらの世界に迷い込んでしまったみたいでして。帰り道を聞こうとここまで辿り着いたわけです。」



私は大雑把に説明する。



「ほう…。あの森はたまに人間を迷い込ませると聞く…」



相変わらずの無表情で話すイケメン。



「いつ繋がるのか分かりませんよね…」



「知らん…あの森は気分屋らしいからいつお前の住む人間の世界に繋がるかなんて…」



ですよねー…私ちゃんと、お家に帰れるのかな…


前向きな考えがどんどん衰退して行く。



「ただ…俺ならお前を元の世界に戻してやれるがな…」



「え?!本当ですか!!!?」



突然の事に驚きを隠せず、道が開けた事に喜びを感じる。