ノアが仕事を終わらせたのは日付が変わるちょっと前だった。



目の前で寝ている音羽に声をかける。



｢…おい……ちゃんとベッドで寝ろ…｣



｢ん〜…｣



ほら…と起き上がらせるが全く起きなかった。


ナカナカ起きない音羽に呆れたノアは音羽を抱き抱えベッドに下ろし布団をかける。


そんな音羽を見ながら



｢……ふんっ…寝てる時まで笑顔で気持ちよさそうに寝るなんてな…どんな夢見ているんだ…｣



と、初めて不器用にも少しだけ口角を上げ、困った様な優しい顔をしたのを音羽は知らなかった。



少しずつ自分の中で変化がある事に驚きながら音羽の存在が温かいものだと感じ目を閉じ眠った。