「ねえ、ノア???」
「なに??」
「もし私が思い出せなかったらどうしよう…」
「…………」
我ながら変な事言っていると思う。
ここに来てすごい弱気だ。
ノアは少し黙ってから口を開いた
「その時はその時だ。人間界で好きな奴や家族、友達と幸せに暮らせばいい」
正しいのかもしれない。
でも寂しいような、そんな答えだった。
私は記憶も全てなくして幸せに暮らす、か……
そんな中ノアはずっと待ち続けるんだよね…
凄い酷な事したのかもしれない私は…
「ただ……」
「ただ…?」
「俺は音羽を信じてる。必ず思い出して帰ってきてくれるとな」
「ノア………ごめんね」
「良い。不安だろうが音羽らしくない、不可能な事でも可能にするのだろう?」
「…うん!そうだね!ありがとう!」
前向きになれたところで森に到着していた。

