狼の王さまに笑顔を。





「お帰りなさいませノア様。」



メイドがノアを迎える



「すまないがこの者に温かい湯と食事を用意してやってくれ。それとローレスを執務室へ呼べ…」



「かしこまりました、ではそこの方こちらへどうぞ」


エレナはメイドに連れられノアは執務室へ戻った。








しばらくしてドアが鳴る



「入れ…」


「失礼します」




「呼んでしまってすまないローレス…」



「いえ、構いません。それよりどうでしたか?何やら女性を連れて帰ったとか…」



「あぁ、酷かった…街は暗く人も居ない、仕舞いにはエレナが襲われていた…」



「なんて事に…連れ帰ったはエレナというのですね」



「うむ、このままではいけない。手を打たなければ…」



「ではこちらでやらせて頂きます。エレナ様は如何なさいましょう?」



「暫くは自由にさせてやってくれ。その後どうしたいかは本人に選ばせれば良い…」



「かしこまりました。では失礼致します」




そうしてローレスは出ていき
ノアが1人ぽつんと座っている



「はぁ…どーしてしまったんだろうなぁ、俺…」




ノア自身、ララを失って感情が薄れているのに普通に生活出来ている自分に驚いていた。






「まあどんなであれ、残された俺がやれる事…それはこの国を守ることだ…」




そうボソッっとつぶやいた。