アリシアはぽつりぽつりと話し始める。
ララは両親を亡くし泣いているノアを見てこの子を守れるのは私しか居ないと
そして自分が王になりゆくゆくはノアが真の王様に、
そう決めて今まで生きてきた
元々身体が弱かったララは250歳の時
最初はただの風邪だった…
そこから始まり、こじらせ、良くなるどころか悪くなる一方
数日寝込んで一時は治った………
と思ったのもつかの間。
その日から風邪を繰り返すことが多くなり、繰り返す度に菌はララの体を蝕んでいく
「…………30年前…?」
「はい、そうでございます。」
「確かにあの時はよく寝込んでいた…が、特に心配はいらない。そう言っていたではないか??」
「ララ様がノア様にはそう言えと、仰っていたからです」
「はっ……?」
ララは親を亡くし、ましてや姉まで亡くす…なんてことがもし万が一あったとしたら
やっと心を取り戻し王になろうと頑張っているノアに申し訳ない
そう思ったとアリシアに話していた
だから侍医にも屋敷の者にもすべての者に、真実をノアに伝えるなと命令していた
「…ではなぜ今それを話している??」
「ノア様が王になられた時、そして…………」
「そして…?」
「……っ…もし万が一の事態になった時…この2つの条件が揃ったら、こんな姉でごめんねと伝えて欲しいとララ様が仰っていましたので…」
「……………」
言葉にならず、沈黙が続いた_______

