あれから1週間



何も考えられず、何も決められず



ただ時間が過ぎていった。



ノアの事を…避けるようにもなってしまった。



こんな事してる余裕なんてないのに



ノアを見てしまうと感情が溢れ出てきてたまらなくなる…



どちらかを選んでどちらか切り捨てなければいけないんだ。



愛しい人か、今まで生きてきた世界か。



ずっとこうだ。



同じことをぐるぐるしてる




「はぁ……」



「あら、やーね!ため息を吐くと幸せが逃げていくのよ?」




そう声をかけてくれるのはエレナだった。



あの日の夜の事はエレナは知らない



でもノアと一緒にいたくなくてエレナの部屋に泊まっているから



何かしら勘づいていると思う



何も聞いては来ないけど…




「ははっ、そうだね。幸せが逃げていくのは御免だよ!!」


「そうそうその調子♪」





「お話中失礼致します、音羽様。」



「どうかしたんですか?」




軽くお辞儀をして現れたローレスさん




「お目通しして頂きたいものがございまして少々宜しいでしょうか」



?なんだろう、ローレスさんから話しかけてくるのは珍しいんだよね。



行ってきなと言わんばかりにエレナがこっちを見た。




「わかりました…行きます」




立ち上がり、エレナの元を後にした。