「音羽…」
私を呼ぶ、いつもの優しい声…
ノアが近づいてきて私の腕を引っ張った。
そのままノアの腕の中にすっぽり
私を抱きしめ口を開いた
「綺麗事を言っていても…本当は俺を選んで欲しい、音羽の全部が欲しい、ほかの全てを切り捨ててでも…内心ではそんな事ばかり思っているんだ。」
「でも…それじゃダメなんだ…音羽を傷付けることはしたくない」
「だから音羽には悔いのない選択をしてほしい。納得のいく答えを」
「もちろん何かあれば出来るだけ力になろう…」
その話を聞いた私は…何か重荷が軽くなった気がして目から涙が零れた。
「やだよ…ノアのこと忘れちゃうの…かと言って家族や友達と二度と会えないなんて、どうしたら…」
「時間はまだある、落ち着いて考えればいい」
私はずっとノアの腕の中で泣いていた。
ノアは何も言わず私を抱きしめ頭を撫でてくれている
突然突き付けられた現実にどうしていいか分からず、
ノアにしがみついてただただ泣くしか出来なかった、、