狼の王さまに笑顔を。


「うん、ノアは優しいよ。」


それも今に始まったことではない。


きっと小さい頃から優しいんだと思う。


何せ顔色変えない人だったから
無愛想に見られがちだけど…


だって、困ってたエレナを助けてくれたんだ。


優しくなきゃできないよ。


誰かを大事に思うことが出来なければ…そんなこと出来ない。



「音羽お姉ちゃんも王さまのこと好きなんでしょ??さっき王さまはお姉ちゃんのこと大好きって言ってたけど」


「急にだね、ロンくん笑。…うん。もちろん私も大好きだよ。出来ればずっと一緒にいたいかな!」


「王さまと音羽お姉ちゃんは一緒に居れなくなるの?」


そんなことは無い
と言いたいけど…

多分それは無理。


長い年月を過ごすノア達と人間の私では先に私が居なくなってしまう。


私がこの世界の者になれれば話は別かもしれないけど…笑


今まで考えないようにしてたけど
そうだよね、いつかは別れが来る。


だけど…


「お姉ちゃん人間だから…長い年月を生きるノアとはずっと一緒にはいられなくなるかな。でもまだ若いしまだまだ死ぬつもりもないからね!!」

「それにもし離れなければいけない時が来ても私は信じてる。いつかまた出会える日を。」


「お姉ちゃんと王さま、2人出会えてよかったね!!」


「そうだね!!私今とっても幸せだよ!!」



この世界に迷い込んできて一時はどうなるかと思ったこともあったけど、


たくさんの人に出会ってこの世界が、ノアのことが好きになれて良かった。



「ロン!居るんだろう〜?帰るぞ〜」


「パパ!」



あれからノアの元で仕事を始めた
ルイさんが迎えに来た


ロンくんは勢いよく立ち上がりルイさんの元に走っていった


ノアが子どもたちとルイさんの近くに行ったから
私も立ち上がって近づいた



「おールイ。終わったか?どうだった?」


「はい、事は順調です。それと…ロンがここ最近お世話になっております…」


「相手しているのはほとんど音羽だけどな。」



そう言われるとルイさんは
私に頭を下げて、感謝された



「良いんですよ!相手して貰ってるのは私も同じなので!!ロンくんといつも楽しくやってます!」



そうですかとニコッと笑い
じゃあ帰るぞ。とロンくんと手を繋ぎ帰っていった。



「さ、お前達ももうすぐ暗くなるから家に帰れ」



ノアが言うと子どもたちは

えー、まだ遊んでいたい!!

と駄々をこねていた。


「えーじゃない。またいつでも遊びに来ていいから。俺はたまにしか遊べんが音羽が遊んでくれるから」


「え!!?」


「何だ?ダメか?」


「ダメじゃないけど…」



むしろ大歓迎だけど
ただびっくりしただけ。


ノアが子どもたちを屋敷に入れていいなんて。



「まあそーゆー事だ。だから今日は帰りな」



わかった!!またねー!!
とキャピキャピして帰っていった。