狼の王さまに笑顔を。




「ってぇ…………」



転んだと思ったのに痛くなくて代わりにノアの声が聞こえた。


私はノアに抱えられノアが下敷きになっていた。



「だから待てって言っただろう…」


「ご、ごめん…」



慌てて退いてTシャツを着る。




「って、元はといえばノアが勢い良く入ってきたからじゃーん……」


「うるさい。お前が目を覚ましてるなんて知らなかったんだ。なにやらドッキリを仕掛けようと企んでたみたいだからな?」




ちょ、なんでそれ知ってるの?!


バレちゃったの?!本当ジルさんとシルビオは?!



「俺を喜ばせようとしてくれた事は嬉しい事だけどな………まあいい。おかえり、音羽…」



そう言って私を優しく抱きしめた。


この温かくて優しくて安心するノアの腕が、匂いが、、、ノアの事が大好きだ…


無意識に私も腕を回していた。



「ただいまぁ………」