暫くしてローレスが血相変えて走ってきた。


その後ろから医者と男がついてくる。



「ノア様!やっと外に出してくれましたね?!音羽様がお怪我された……と…」



涙を流して傷だらけの音羽を抱きかかえている俺を見て目を見開いて固まったローレス。



「ノ、ア様…?その傷は…」



「俺事は心配いらない、それより侍医よ、音羽を見てくれ…!!」



医者は俺達の怪我具合をみて驚きはしたが冷静に、とりあえず屋敷にと言った。


それを聞いたローレスが音羽を抱き上げようとする。



「いい、俺が連れていく。」



音羽を抱きかかえ立ち上がり医務室へ連れていく。


いつまでも泣いていられない。


王の俺が泣くなど…みっともないよな…音羽。


俺には笑顔でいて欲しいんだもんな…